
「不自由なく動くPCって、どんな感じだろう?」と考えたことはありますか。いま主流のRAMは16〜32GB。一方で、ごく一部の超ハイエンド機には 128GB が搭載され、ほぼ上限クラスと言えます。高度なゲーム/プロ向け動画編集/負荷の高いAIタスクでは人気の構成です。では、本当に128GBが必要なのか、それとも過不足ないのか。ここから詳しく見ていきます。
128GB RAMとは
RAM(ランダムアクセスメモリ)は、PCの短期記憶。いま使っているデータを一時的に置いて、処理を滞りなく進めるための作業台です。容量が大きいほど、多くの処理を同時に走らせても速度低下が起きにくいのが利点。目安でいうと128GBは、32GB(ハイエンドゲーミングPCの一般的構成)の約4倍、16GB(一般的なオフィスPC)の約8倍。つまり、極めて広い作業スペースを確保でき、最も重い部類のタスクにも余裕を持って対応しやすくなります。
128GB RAMの本当のメリット
では128GB のRAMで実際に何ができるのか。大容量の強みが生きる代表的なシナリオを挙げます。
- 究極のマルチタスク:100以上のブラウザタブ、バックグラウンドの4K動画再生、重いスプレッドシート計算、最高設定のPCゲーム――数十のアプリを同時起動していても、128GBなら速度低下を感じにくく保てます。
- 大容量ファイルのレンダリング/編集:8K映像、高解像度3Dモデル、複雑なCADなどの巨大ファイルを、メモリ不足による待ち時間を抑えて処理できます。
- 仮想マシンとホームサーバー:128GBがあれば、開発者やITプロフェッショナルの夢が実現します。複数VMを同時起動し、それぞれにOSやアプリを入れても余裕。メディア配信やファイル保存など機能を備えたホームサーバー構築も可能です。
- 高負荷な科学ワークロード:研究者が扱う巨大データセットや高度シミュレーションをローカルのデスクトップでこなし、検証スピードを引き上げられます。
128GBメモリ搭載ゲーミングPC:過剰か、それとも将来性を取るか
ゲーミング用途で128GBが本当に必要かというと、多くのゲーマーには過剰です。PCMagの見立てでは、一般的には16GBが理想的で、最も要求の厳しいタイトルでも32GBで十分。ただし、特定のケースでは128GBが必要となる場合もあります。

ヘビーMOD:SkyrimやFalloutのように大量のMODを入れるゲームでは、MODが多くのRAMを消費します。128GB あれば、何百ものMODを入れても速度低下を気にする必要のない環境を作れます。
ストリーミングとマルチタスク:プレイしながら配信し、同時に他アプリも使うストリーマーにとって、128GBのRAMは自分にも視聴者にも滑らかな体験をもたらします。
将来性:現行の多くのゲームで128GB必須という状況ではありませんが、将来の要求は不確実。次世代タイトルの負荷増に備える意味で、128GBを積んでおくことは長期的な保険にもなります。
制限と欠点
もちろん 128GBメモリにはデメリットもあります。まず価格。少容量構成のPCに比べて、本体価格が大幅に高くなる場合があります。さらに、128GB対応に伴い、マザーボードやCPUも上位モデルが必要になり、総額が膨らむことがあります。加えて、容量増は消費電力増にもつながるため、電気代がかさむ点も覚えておきましょう。
128GB搭載PCのおすすめ(2025年版)
128GB が最適だと判断した場合の選択肢をいくつかご紹介します。
- 128GBメモリ搭載のミニPC:意外に思えるかもしれませんが、小型PCで128GBを積むモデルも登場。例として GEEKOM A9 max。小型ながら、AMD Ryzen AI Max 370プロセッサと 128GB DDR5-5600 SODlMMを搭載します。

- AMD Ryzen™ 9 HX 370搭載 ミニPCのコストパフォーマンス王者
- AMD Radeon™ 890M – スムーズなゲーム & 3Dレンダリング
- AI性能を再定義 – 最大80TOPSのAI処理能力
- デュアルチャネルDDR5 SODIMM – 最大128GB
- M.2 SSDスロット×2、最大8TB
- デュアル2.5G RJ45 LAN | Wi-Fi 7 | Bluetooth 5.4
- HDMI 2.1×2 | USB4.0×2 | USB3.2×5
- 4画面同時出力(最大8K解像度)対応
- カスタムビルド(自作):DIY派なら、128GB対応のマザーボード/CPU(ハイエンドIntel CoreやAMD Ryzenなど)を選定。メモリは Corsair / G.Skill / Kingston などから 128GBキットが入手可能です。
- ゲーミングPC vs. ワークステーションPC:128GBのRAMを搭載するPCは、ゲーミングPCとワークステーションPCで構成が異なります。128GB メモリ搭載PCには2つのタイプがあり、ゲーミングPCは高速メモリと高性能グラフィックカードに重点を置き、ワークステーションPCはプロフェッショナルユースに適した安定性と信頼性に重点を置きます。AMDのRyzen AI Max+ 395は、ワークステーションとゲーミングの境界を曖昧にするプロセッサの好例で、最大112GBのVRAMを搭載し、AIなどの高負荷タスクに使用できます。
結論
では、128GBのRAMは本当に必要でしょうか。多くの人にとっての答えは「いいえ」です。ただし、プロのアーティストや開発者、科学者、そして最高のパフォーマンスを追求する熱心なゲーマーであれば、128GBのRAMを備えたデスクトップは価格に見合う投資になり得ます。この強力なリソースは、新たな可能性を切り開き、仕事も遊びもこれまで以上に快適にしてくれるはずです。
よくある質問
A: 多くのゲーマーにとっては過剰です。ほとんどのゲームは少なくとも16GBを推奨し、ハイエンドでも32GBで十分なケースが大半です。ただし、PCで高度なMOD作成や配信(ストリーミング)を行う、あるいは将来の拡張を見据える場合には、128GBという選択肢も有効となる場合があります。
A: とくに4K〜8Kの映像を扱うなら、128GBを搭載する価値があります。作業の安定性が増し、編集や書き出し(レンダリング)のスピードや品質の面でメリットがあります。
A: 構成次第で大きく変わります。たとえば、60万円超のハイエンドなカスタムワークステーションもあれば、128GBを標準搭載しつつ30万円前後のミニPCも存在し、価格帯には幅があります。
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