小型PCを支える技術は進化を続け、それに伴い、ミニPCを自宅サーバーとして利用するケースが増えている。ファイルの一元管理やウェブサイトのホスティングを行う際などに、安定性、静音性、省電力に優れたミニPCは魅力的な選択肢の一つとなっている。ミニPCで理想の自宅サーバーを構築してみよう。
自宅サーバーの使用例
小規模な自宅サーバーはさまざまな目的に活用できる。最も一般的な使用例を挙げる。
共有データの保存場所として
さまざまなPCや外部クラウドなどに分散しているデータを自宅サーバーに保存することで、家族全員が共有データに簡単にアクセスでき、ファイルの保護も強化される。ただし、一度すべてのデータを個人の自宅サーバーのドライブに保存すると決めたら、しっかりとしたバックアップ計画を立てる必要がある。複数のドライブを持つ PC であれば、共有ドライブの障害に備えて重要なファイルのコピーを別のドライブに保存できる。ドライブを1つしか持たないPCよりもデータの可用性を担保できるだろう。
自宅サーバーをクラウドストレージ化すれば、世界中のどこからでもデータにアクセスできるようになる。ホームクラウドサーバーは、Google Drive や OneDrive などのオープン クラウド サービスとほぼ同等の機能を提供するが、独自ストレージであるため、より強いプライバシー保護とセキュリティ対策が可能となる。
ホームメディアサーバーとして
メディアファイルを自宅サーバーに保存すれば、家族全員にとって便利となるだけでなく、メインPCの負荷も軽減される。自宅サーバーに保存されているテレビ番組や映画を、同じネットワーク内にある携帯電話やタブレット、スマートTV、または他のコンピュータからストリーミング再生できる。家に小さな子供がいる場合、暗号化機能を利用してアクセス可能なコンテンツを制御することもできる。
データのバックアップ場所として
大事なデータを守るには定期的なバックアップが欠かせない。ハードディスクが破損したり、誤ってファイルを削除してしまったり、マルウェアによってフォルダが暗号化されてしまう可能性もある。これらは誰にでも起こり得ることだ。ソフトウェアの再インストールや映画・番組の再ダウンロードは可能だが、個人撮影した写真やビデオなど、大切な家族の思い出は戻ってこない。
とはいっても、手動でバックアップを取る必要はない。「BackupPC」や「UrBackup」といったバックアップ専用のソフトウェアを使用すれば、ファイルを定期的かつ自動的にバックアップできる。
ホームセキュリティシステムとして
セキュリティカメラを数台設置するだけで、自宅サーバーを使用して独自のホームセキュリティシステムを運用可能だ。無料のソフトウェアを使用し独自のセキュリティ システムを構築することもできるし、Ubiquiti や Blue Iris といった企業が提供する有料サービスをホーム ネットワークに統合する選択肢もある。
個人用ウェブサーバーとして
自宅サーバーを使用して自分のブログや Web サイトを発信することもできる。小規模な自宅Webサーバーを構築することはWeb系の知識を持つ方であれば比較的簡単だが、初心者はいくつかのチュートリアルを読むことをお勧めする。また、Webサーバーを運用するにはそれなりの回線が必要となることにも注意したい。インターネット回線が低速の場合は、まずは回線のグレードアップをお勧めする。
監視用モニターとして
自宅サーバーを活用しネットワークやスマート ホームを監視することも可能だ。例えばフリーで配布されているPRTG Network Monitorを活用すれば、帯域幅の使用状況、CPU/メモリの使用状況、空き領域の監視なども可能となる。
ホームネットワークだけでなく、自宅やアパートを監視することもできる。一部のスマート ホーム センサーは、室温や酸素レベル、湿度、電力消費などを監視可能。ダッシュボードを用いてリアルタイムで可視化することもできる。
ミニPCで理想の自宅サーバーを構築
古いノートPCから新しい自作デスクトップまで、どんな PCでも自宅サーバーを構築できるが、24時間稼働を前提とする場合は、ミニ PC が最適解となる。最良の自宅サーバー用ミニPCを手に入れるために、購入前に知っておくべきことを紹介する。
パフォーマンス
自宅サーバーの構築にどの程度の性能を必要とするかは、それを何に使用するかによって異なる。ホームメディアサーバーをメインと考える場合は、エントリーレベルのプロセッサーと最低限のメモリを搭載したミニPCで十分。一方、Webサーバーとしての活用がメインとなる場合は、よりスペックの高いミニPCを検討する必要があるだろう。
ストレージ
自宅サーバーにストレージは不可欠。少なくとも2つ以上のドライブを備えたミニPCの購入をお勧めする。また内部ドライブのみのミニPCを選択した場合、重要なファイルを全てバックアップするために必ず外部ドライブを購入しておくことをおすすめする。
アクセス性能
自宅サーバーとして運用するアプリケーションのほとんどはネットワークベースのため、家庭内LANの帯域幅とミニPCの接続性の2つは非常に重要な要素となる。ホームメディアサーバーの場合、少なくとも1Gbps対応の有線LANポート、もしくはデュアルバンド対応のミニPCを検討する必要がある。Webサーバーとして活用する場合は、2.5Gbps または10ギガビットのイーサネット接続が可能なモデルを購入することをお勧めする。
省電力性
ミニPCは消費電力が少ないため、一般的なデスクトップPCよりもエネルギー効率に優れている。最新のミニPCの中には、アイドル時の消費電力を5 W未満まで抑えているものもある。そのため、ミニPCを24時間稼働させたとしても、そこまで電気代を気にする必要もないだろう。
静音性
常に動作させておく必要のある自宅サーバーの騒音はできるだけ抑えたいもの。ほとんどのミニPCは、フルスピードで回転しても大きな騒音を発しない1~2個の小型冷却ファンが付属している。中には完全にファンレスのミニ PCもあるため、共有データの保存用途など、基本的な自宅サーバーの機能のみを使用したいユーザーに最適。
おすすめはこちら
自宅サーバーの構築を検討している場合におすすめしたいのがGEEKOM Mini PC。パワフルかつ効率的なIntel製 Coreプロセッサーを搭載し、2つの内部ドライブをサポートしている。
💠GEEKOM Mini IT12
GEEKOM Mini IT12は、第12世代Intel Coreプロセッサーが搭載されており、i5 および i7モデルを選択可能。シームレスなマルチタスクと効率的な処理が可能で、メディアストリーミングやデータストレージなどの性能要求の厳しいホームサーバーアプリケーションの実行に最適。ストレージの拡張性にも優れており、最大2TBの SSDストレージを追加できる。
💠GEEKOM A5ミニ PC
コストパフォーマンス重視の方には、GEEKOM A5 Mini PCが魅力的な価格で優れた性能を発揮するだろう。AMD Ryzen 7 5800Hプロセッサを搭載したこの製品は、日常的な作業や軽いサーバー作業に十分なパワーを発揮する。16GBのメモリと 512GBのSSDストレージを備え、パフォーマンスとストレージの優れたバランスで、快適な自宅サーバー環境を提供してくれるはずだ。
まとめ
ミニPCを使って自分専用の小さな自宅サーバーを構築することは、楽しいだけでなく費用も抑えられるなど、数多くのメリットを享受できる。当記事でご紹介した以外にも様々なメリットが存在するが、それらの多くは実際にサーバーを稼働させるまでは実感できないはず。ぜひ今すぐチャレンジしてみてはいかがだろうか。
コメントを残す