
モビリティは仕事でもプライベートでも、ますます重要になってきています。そんな中、ミニPCがこれまでにないほど市場で注目を集めています。これらのコンパクトなデバイスは、ノートパソコンよりもさらに携帯性に優れ、ハイエンドハードウェアによって抜群のパフォーマンスを発揮します。さらに、eGPUなどの外部デバイスと組み合わせることで、その性能をさらに向上させることも可能です。
外部デバイスを接続する際に重要となるのが、USB 4.0とOCuLinkという2つの規格です。どちらも現在活発に使われていますが、それぞれ特徴が異なり、適した用途も違います。今回は、OCuLinkとUSB 4.0の違いと、どんな場面でどちらを使うべきかを詳しく解説していきます。
USB 4.0とは?
USB 4.0は、デバイス間で高速データ転送を行うための新しいユニバーサルUSB規格です。Thunderbolt 3をベースに開発され、USB-Cポートを採用、2019年にリリースされました。高速性(最大5GB/s、USB4 v2では10GB/s)に加えて、幅広いデバイスとの互換性が大きな魅力です。
- 速度:最大5GB/s、USB4 v2バリアントでは10GB/s
- ポート:USB-C
- 映像:8Kまでの映像出力に対応
- 充電:最大100Wの充電が可能
OCuLinkとは?
OCuLinkは、2015年にリリースされ2017年に更新された、やや古い規格です。主に外部PCIデバイスの接続を目的として設計されています。デバイスの充電や映像出力には対応しておらず、USB-CではなくPCIポートを使用するため、対応デバイスは限定的です。
- 速度:PCIe 3.0 x4バリアントで最大4GB/s、PCIe 4.0 x4で8GB/s
- ポート:USB-C
- 映像:非対応
- 充電:非対応
👉詳細情報:【2025年】徹底比較:PCIe 4.0と5.0
OCuLink vs USB 4.0の直接比較
この2つの規格の共通点と違いを、より詳しく見ていきましょう。パフォーマンス、汎用性、市場での普及度という3つの観点から比較することで、それぞれの特徴と適用場面がより明確になります。
パフォーマンスと帯域幅
OCuLinkの最大の強みは、PCI直接接続による低遅延性です。これにより遅延が最小限に抑えられ、接続の安定性も向上するため、外付けグラフィックカードには最適な選択肢となります。ゲーミングはもちろん、クリエイティブ作業でのGPU活用にも理想的な接続方式です。
一方USB 4.0は、USBプロトコル特有のオーバーヘッドの影響を受けます。加えて、データ転送、映像出力、充電機能で帯域幅を分け合う必要があるため、転送速度が15%〜40%程度低下する可能性があります。
汎用性と互換性
間違いなく、USB 4.0は最も互換性の高いデータ転送フォーマットです。この点で、OCuLinkをあらゆる面で上回ります。USB 4.0は映像転送が可能(OCuLinkにはできません)、デバイスの充電が可能(OCuLinkにもできません)、そして USB-Cを備えたあらゆるデバイスで使用できます。
OCuLinkはデータ転送のみに特化した規格で、さらに動作にはPCIポートに依存するため、モバイルやタブレットでの存在は実質的に皆無で、ノートパソコンでも最も一般的な規格ではありません。その使用は特定のデバイスの特定の機能に限定されています。
市場での普及状況
現在発売されているノートパソコンやミニPCの多くがUSB 4.0ポートを搭載しており、その普及は着実に進んでいます。PCではほぼ標準的な規格となっており、タブレットやスマートフォンでも徐々に採用が進んでいます。USB 4.0の普及度は、OCuLinkを大きく上回っています。
OCuLinkはより専門的な規格ですが、一定の需要を維持しています。主にゲーミングPC、携帯ゲーム機、一部のミニPCで、ストレージデバイスや外付けグラフィックカードなどの周辺機器接続に使用されています。
2025年、どちらを選ぶべき?
USB 4.0とOCuLinkの主要な特徴と用途を理解したところで、どちらを選ぶべきかを考えてみましょう。選択の決め手となるのは、何を目的とするかです。USB 4.0の汎用性とOCuLinkの専門性、この違いを理解することが重要です。
OCuLinkがおすすめのケース
OCuLinkが力を発揮するのは、限定的ながら明確な用途があります。外付けストレージを接続する場合や、特に外付けグラフィックカードの性能を最大限に引き出したい場合は、OCuLinkが理想的です。高速転送、低遅延、オーバーヘッドなしという特徴により、これらの用途では最高のパフォーマンスを発揮します。ただし、OCuLinkが優位となるのは、基本的にこうした用途に限られます。
USB 4.0がおすすめのケース
それ以外のほぼすべての場面では、USB 4.0が最適です。多少のオーバーヘッドやOCuLinkと比べてわずかに高い遅延はありますが、映像出力、デバイス充電、高速データ転送を一つのポートで実現できる汎用性は非常に魅力的です。USB 4.0は、高いパフォーマンスを維持しながら、圧倒的な利便性を提供する優れた規格です。
両方を使うべき時は?
重要なのは、これら2つの規格は排他的なものではないということです。一台のPCやミニPCで両方を活用することができ、実際にそうすることでデバイスの可能性を最大限に引き出せます。外付けグラフィックカードや超高速データ転送が必要な機器にはOCuLinkを使い、その他の用途にはUSB 4.0の汎用性を活用する、これがベストな使い分け方法です。
USB4とOCuLink搭載のおすすめミニPC
Geekomでは、OCuLinkポートとUSB 4.0ポートの両方を搭載したミニPCを豊富にラインナップしています。両規格の特徴と用途を踏まえて、ゲーミング用途と生産性向上用途におすすめの機種を2つご紹介します。
GEEKOM MEGAMINI G1 Mini PC
ゲーミングメインでお考えなら、Mega Mini G1が断然おすすめです。Intel Core i9-13900H(14コア/20スレッド)というハイエンドプロセッサに、32GB DDR5 5200 MT/s(最大64GBまで拡張可能)のメモリ、そしてNVIDIA GeForce RTX 4060を搭載した本格仕様です。箱から出してすぐに優秀なグラフィック性能を楽しめる上、PCIe 4.0 x4対応のOCuLinkポートでeGPUを追加すれば、さらなる性能向上も可能です。

- プロセッサ:Intel Core i9-13900H または i7-13620H
- メモリ:32GB DDR5 5200 MT/s(最大64GBまで拡張可能)
- ストレージ:2TB M.2 NVMe PCIe Gen 4 x4 SSD(2スロット:1x 2280 NVMe 最大2TB、1x 2242 SATA 最大1TB)
- グラフィック:NVIDIA GeForce RTX 4060(8GB、ノートPC版)
- USB 4.0:USB 4.0 Type-C ×1(最大40Gbps)
- OCuLink:1ポート(PCIe 4.0 x4、最大64Gbps)
- 価格:¥269,000(期間限定セール)
GEEKOM IT15 Mini PC
Adobe PremiereやAfter Effectsなどクリエイティブ作業がメインなら、Geekom IT15がぴったりです。Intel Core Ultra 9-285H(16コア/22スレッド)またはUltra 5-225H(14コア/18スレッド)を選択でき、価格も約13万円比較的手の届きやすい設定になっています。

- プロセッサ:Intel Core Ultra 9-285H または Ultra 5-225H
- メモリ:32GB DDR5 5600 MHz
- ストレージ:2TB M.2 NVMe PCIe Gen 4 x4 SSD(2スロット:1x 2280 NVMe 最大2TB、1x 2242 SATA 最大1TB)
- グラフィック:Intel Arc 140T
- USB 4.0:USB 4.0 Type-C ×2
- OCuLink:非搭載
- 価格:¥139,800
まとめ
OCuLinkとUSB 4.0、それぞれの特徴と適した用途ははっきりしています。低遅延でオーバーヘッドが最小のOCuLinkは、eGPU接続でミニPCのグラフィック性能を最大化したい場合に最適です。外付けSSD接続でも優秀な性能を発揮しますが、USB 4.0ほどの汎用性はありません。
一方USB 4.0は、充電、映像出力、USBデバイスやモバイル機器とのデータ転送など、日常的に必要な機能を網羅した汎用性の高さが魅力で、OCuLinkを補完する存在といえます。ミニPCの性能を最大限に活用するなら、両方の規格を備えて、それぞれに最適な用途で使い分けるのがベストです。Geekomなら、そんな理想的な環境を実現できる選択肢が揃っています!
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