
Intel Core Ultra 5は、革新的な「Meteor Lake」アーキテクチャを採用したプロセッサーです。パフォーマンスコア、効率コア、低消費電力効率コアの3種類を組み合わせることで、従来世代から大幅な性能向上を実現。マルチタスクに強く、AI機能も強化されており、携帯性を重視する用途でも活きる優れた電力効率を備えています。
一方、Intel Core i5シリーズは、長年にわたって信頼され続けている定番プロセッサーの一つです。性能と価格のバランスに優れ、市場において確固たる地位を築いています。特にi5-12500HとCore i5-13500Hは、日常使いからゲーム、コンテンツ制作まで幅広い用途で安定した性能を発揮します。従来から、Intel i5シリーズはミドルレンジ価格帯において最もコストパフォーマンスに優れた選択肢として高く評価されています。

本記事では、Core Ultra 5とCore i5の仕様比較、性能ベンチマーク、ゲーミング性能を解説します。読み終えるころには、ゲーマーからコンテンツクリエイター、高性能&省電力なモバイルプロセッサーを求める一般ユーザーまで、ご自身のニーズに最適なプロセッサーを簡単に選べるようになります。
Intel Core Ultra 5 vs Intel Core i5:総合性能比較

Core Ultra 5とCore i5の仕様比較
プロセッサーを選ぶ際は、実性能や使用感に直結する主要仕様をしっかり確認しましょう。以下の表では、Intel Core Ultra 5 125H/135Hと、Intel Core i5-12500H/13500Hの主なスペックを比較しています。
| 項目 | Intel Core Ultra 5 125H | Intel Core Ultra 5 135H | Intel Core i5-12500H | Intel Core i5-13500H |
|---|---|---|---|---|
| 総コア数 | 14 | 14 | 12 | 14 |
| パフォーマンスコア | 4 | 4 | 4 | 6 |
| 効率コア | 8 | 8 | 8 | 8 |
| 低電力効率コア | 2 | 2 | 0 | 0 |
| スレッド数 | 18 | 18 | 16 | 20 |
| 最大ターボ周波数 | 4.5 GHz | 4.6 GHz | 4.4 GHz | 4.5 GHz |
| キャッシュ | 18 MB | 18 MB | 16 MB | 18 MB |
| ベースパワー | 28 W | 28 W | 45 W | 45 W |
| 最大ターボパワー | 115 W | 115 W | 95 W | 95 W |
| GPU | Intel® Arc™ Graphics | Intel® Arc™ Graphics | Intel® Iris® Xe Graphics | Intel® Iris® Xe Graphics |
| Xeコア / 実行ユニット数 | 128 | 128 | 80 | 80 |
| 最大動的周波数 | 2.2 GHz | 2.2 GHz | 1.45 GHz | 1.45 GHz |
コア数とスレッド数について
Intel Core Ultra 5(125H/135H)は、パフォーマンスコア・効率コア・低電力効率コアの3種類を統合したバランス設計が特長です。14コア/18スレッド構成により、複数アプリを同時に実行するような高度なマルチタスク環境で力を発揮します。
一方、Intel Core i5-12500Hは「Pコア4+Eコア8」の12コア/16スレッド、i5-13500Hは「Pコア6+Eコア8」の14コア/20スレッド構成です。とくにi5-13500HはPコアが増えた分、マルチスレッド対応の高負荷アプリケーションでの性能向上が期待できます。
キャッシュ容量
Core Ultra 5の125Hと135Hは、いずれも18 MBのIntel® Smart Cacheを搭載しており、頻繁にアクセスされるデータや命令の読み込み速度を向上させています。
Intel Core i5-12500Hは16MB、i5-13500Hは18MBのキャッシュを搭載。キャッシュ容量の差はデータアクセス速度に影響し、結果として総合的なパフォーマンスにも反映されます。
消費電力仕様
Core Ultra 5は、ベースパワー28W、最大ターボパワー115Wという設計で、性能と省電力性のバランスを追求しています。とくに長時間のバッテリー駆動が求められるモバイル用途に最適化されています。
一方、Intel Core i5シリーズはPBP 45W、MTP 95Wと消費電力はやや高めですが、そのぶん高いパフォーマンスを安定して発揮する設定です。

グラフィックス性能
Intel Core Ultra 5シリーズは、128 Xeコアを備える Intel® Arc™ Graphics を採用し、ゲームやコンテンツ制作で高い描画性能を発揮します。
Intel Core i5シリーズは、80実行ユニットの Intel® Iris® Xe Graphics を搭載。統合グラフィックスとして十分な性能を提供しますが、総合的なパフォーマンスはArc™ Graphicsには一歩及びません。
それぞれの違いと特徴
これらの違いから、各プロセッサーが得意とする領域は明らか。Intel Core Ultra 5 は、高性能と電力効率のバランスが求められる多様なタスクを想定し、特にモバイル環境での利用を意識した設計です。一方の Intel Core i5 は、要求水準がそれほど高くない一般的な用途を狙ったエントリー~ミドルレンジ向けで、幅広いユーザーへの普及を目指しています。

Intel Core Ultra 5 vs Intel Core i5:性能ベンチマーク比較
本章では、Intel Core i5-12500H/13500Hと Core Ultra 5 125H/135Hを、複数のベンチマークテストを用いて詳しく比較検証します。これらのテストにより、シングルコア性能とマルチコア性能の両方を測定し、実際のアプリケーションでの性能差を明らかにします。
Cinebench R23ベンチマーク
Cinebench R23は、精細な3Dシーンのレンダリングを通じてCPU性能を評価する、広く用いられるクロスプラットフォーム向けベンチマークです。シングルコア/マルチコアの双方を測定でき、重負荷時の処理能力を把握できます。
| プロセッサー | シングルコアスコア | マルチコアスコア |
|---|---|---|
| Intel Core Ultra 5 125H | 1733 | 14906 |
| Intel Core Ultra 5 135H | 1761 | 14932 |
| Intel Core i5-12500H | 1691 | 13342 |
| Intel Core i5-13500H | 1761 | 14341 |
- シングルコア性能:最高スコアはCore Ultra 5 135HとCore i5-13500Hの同率(1761)。軽量アプリやゲームなど、シングルスレッド中心の処理で優位です。
- マルチコア性能:Core Ultra 5(125H/135H)がいずれもCore i5(12500H/13500H)を上回り、動画レンダリングや3Dモデリングなどマルチスレッド対応アプリに適しています。
PassMark CPUベンチマーク
PassMarkの総合スコアは、整数演算・浮動小数点演算・圧縮処理など複数のテスト結果を基に算出され、CPUの総合的な処理性能を評価する際に広く活用されています。
| プロセッサー | シングルコアスコア | マルチコアスコア |
|---|---|---|
| Intel Core Ultra 5 125H | 3526 | 22383 |
| Intel Core Ultra 5 135H | 3575 | 22822 |
| Intel Core i5-12500H | 3466 | 21117 |
| Intel Core i5-13500H | 3538 | 22689 |
- シングルコア:最高は Core Ultra 5 135H(3575)。次点は Core i5-13500H(3538)
- マルチコア:Core Ultra 5 135H(22822)が最上位。
- 総合傾向:本データでは Core Ultra 5 シリーズが Core i5 シリーズより一貫して高スコアで、幅広い作業で優位といえます。
Intel Core Ultra 5 vs Intel Core i5:性能比較まとめ
結論として、Intel Core Ultra 5(125H/135H)は、Intel Core i5(12500H/13500H)に対し、マルチコア性能で一貫して優位、シングルコア性能でも概ね同等〜僅差で上回る結果となりました。とくにCinebench R23ではシングルコアが同率、PassMarkではシングルコア・マルチコアともにUltra 5が僅差またはリードしている状況です。このため、Ultra 5はコンテンツ制作、ゲーミング、高度な計算処理など、高性能が求められるタスクに適しているといえます。Cinebench R23およびPassMarkの結果からも、複雑な計算処理を要する用途でUltra 5シリーズが総合的に優位であるといえます。
Intel Core Ultra 5 125H搭載ミニPCのおすすめ:GEEKOM GT1 MEGA MINI PC

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Intel Core Ultra 5 vs Intel Core i5:ゲーミング性能比較
CPU選びで重要なゲーミング性能は、実際のプレイ体験に直結します。本章では Core Ultra 5(125H/135H) と Core i5(12500H/13500H) を、人気タイトルのFPS(フレームレート)、総合的なゲーム体験、ジャンル別のパフォーマンスという観点で比較します。
人気ゲームでのFPS(フレーム毎秒)比較
FPSは、ゲームがどれだけ滑らかに動作するかを示す重要指標です。値が高いほど映像はなめらかになり、入力への応答性も向上し、より快適なプレイが可能になります。

- Cyberpunk 2077:Core Ultra 5 135H はグラフィック負荷の高い同作でも安定して高いパフォーマンスを発揮し、要求水準の高いRPGに適しています。
- Call of Duty: Warzone:Ultra 5シリーズ は i5シリーズ を上回ります。対戦型FPSにおいてより滑らかなプレイ体験に寄与します。
- Fortnite:いずれも良好に動作しますが、Ultra 5シリーズ は軽量タイトルでも安定したフレームレートを維持しやすいのが特長です。
- Shadow of the Tomb Raider:精細なグラフィックスと複雑な環境描写を備える本作でも、Ultra 5 が i5 を上回るパフォーマンスを発揮します。
以下の動画で、i5 と Ultra 5 の人気タイトルにおける動作比較を確認できます。
総合的なゲーム体験
ゲーム体験はFPSだけでなく、ロード時間、熱管理、動作安定性など多くの要素に左右されます。以下に両シリーズの傾向を整理します。
- ロード時間:Intel Core Ultra 5シリーズは、大容量キャッシュと高速なメモリアクセスにより、ゲームのロード時間短縮に寄与し、体感的な快適性を高めます。
- 熱性能:効率的なコア構成により、Ultra 5は長時間のプレイでもサーマルスロットリングが発生しにくい設計です。
- 動作安定性:両シリーズとも安定していますが、Ultra 5はAI関連機能の強化により、対応タイトルでは最適化やスムーズな動作が期待できます。
ジャンル別の適性
ゲームの種類によって、CPUに求められる特性は異なります。目安は次のとおりです。
- ファーストパーソンシューティング(FPS):Call of Duty: Warzoneのように高FPSと安定した熱管理が重要なタイトルでは、Ultra 5シリーズが競争力を発揮します。
- ロールプレイングゲーム(RPG):Cyberpunk 2077のように計算負荷と描画要件が高いタイトルでは、Ultra 5が適しています。
- リアルタイムストラテジー(RTS):StarCraft IIのようにマルチスレッド性能が鍵となるタイトルでは、より多コア/多スレッドのUltra 5が有利です。
- カジュアル・インディーゲーム:軽量タイトルはi5/Ultra 5のいずれでも十分。コスト重視ならi5が有力です。
ゲーミング性能のまとめ
Intel Core Ultra 5(125H/135H)は、Intel Core i5(12500H/13500H)と比較して、人気タイトルでのFPS、熱管理、総合的なプレイの滑らかさで優位となっています。グラフィック負荷の高いAAAから競技性の高いマルチプレイまで、Ultra 5は十分な処理能力と効率を備え、ユーザー体験の底上げに寄与します。
より高いクラスを検討する場合は、Intel Core Ultra 9 vs i9の比較の比較も参考になります。
Ultra 5とi5の選び方
CPUの最適解は、ニーズと環境によって変わります。
高性能ゲーム重視:Ultra 5シリーズが適しています。高いフレームレート、良好な熱設計、強化されたグラフィックスにより、没入感のある体験が得られます。
動画編集・3Dレンダリングなどの制作:マルチコア性能に強いUltra 5が有利。処理時間短縮と並行作業のしやすさがメリットです。AI/機械学習系のワークロードでも、Ultra 5搭載のAIアクセラレーションが効率化に寄与します。
モバイル重視(バッテリー持ち×性能):省電力設計のUltra 5が有力候補。外出先でもパフォーマンスを維持しやすい設計です。
コスト重視・一般用途:Core i5-12500H/13500Hは、Web、Office、動画視聴など日常用途で十分な性能を、手頃な価格で提供します。軽いカジュアルゲームでも、コストを抑えつつ実用的なフレームレートが得られます。

おすすめモデル:GEECOMミニPC
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- 13世代 Intel Core i9-13900HK
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- USB4ポート×2、HDMI 2.0ポート×2など豊富なポート構成
コスト重視のユーザーには、Core i5-12500H/13500H の競争力ある性能が魅力です。価格を抑えつつ必要十分な処理性能を提供し、投資対効果に優れた選択肢となります。さらに、i5シリーズはソフトウェア/ハードウェアの互換性が広く、信頼性が高い実用的なオプションとして継続的に支持されています。
まとめ
Intel Core Ultra 5とIntel Core i5は、それぞれ異なる性能レンジを担っており、ユーザーのニーズや利用シーンによってその最適解は分かれます。
Intel Core Ultra 5 は、本格的なゲーム、計算負荷の高いコンテンツ制作、AIアプリケーションを想定した設計で、トップクラスのマルチコア性能と強化されたグラフィックス、高効率な電力管理を備えます。高負荷タスクや長時間のバッテリー駆動が求められる環境に最適です。
一方、Intel Core i5 シリーズは、一般的な作業や軽めのゲーム、コスパ重視の用途に適しています。日常タスクに十分な性能を、手頃な価格で信頼性と汎用性とともに提供する実用的な選択肢として、幅広いユーザーから支持されています。







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