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AMD Radeon 890M vs 780M:2026年、どちらを選ぶべきかを比較

本記事は、AMD公式、Notebookcheck、NanoReviewなどの公開情報をもとに構成しています。

結論から言うと、Web閲覧、資料作成、動画視聴、軽めの画像編集、eスポーツ系ゲームが中心ならRadeon 780Mが適しています。

反対に、フルHDゲームを少しでも高い設定で遊びたい人、動画編集や3D制作をより快適に進めたい人、ローカルAI活用まで視野に入れる人にはRadeon 890Mが適しています。

つまり、この比較で重要なのは「どちらが絶対的に上か」ではなく、「どんな用途ならどちらを選ぶべきか」です。

なお、内蔵GPUの実性能は、搭載CPUの電力設定、メモリ速度、メモリ容量、冷却性能、ドライバ、OS環境によって変動します。同じRadeon 780Mや890Mでも、搭載されるPCが違えば結果は一致しません。

したがって、以下の比較はあくまで公開ベンチマークと公式仕様をもとにした判断材料としてご覧ください。

Radeon 890Mと780Mの結論早見表

まずは、どちらが自分に向いているかを簡単に表で解説します。

比較項目Radeon 780MRadeon 890M
向いている人コスト重視や軽めのゲームを遊ぶ日常使いに適しているゲームを快適に遊んだり、制作作業などに適している
ゲーム性能eスポーツ系や軽量級タイトル向け重めのゲームも含めて内臓GPUで上を狙いたい人向け
クリエイティブ用途フルHD中心の軽めの作業にピッタリ動画編集、3D制作、AI補助機能の活用まで視野に入る
AI関連搭載CPU私大でRyzen AI対応例もありRizen AI300系と組み合わせやすく、AI処理の伸びしろ大
ミニPCでの相性省電力と静音性のバランスが取りやすい小型でも高性能を狙いたい人向け
まとめ軽い用途ならこちらでOK数年先まで余裕を持たせたいならこちら

Radeon 780Mは「妥協案」ではなく、2026年時点でも十分に競争力のある高性能iGPUです。一方でRadeon 890Mは、その上の余裕を求める人に向いた上位モデルと考えると分かりやすいでしょう。

Radeon 780Mと890Mの基本スペックを比較

Radeon 780Mは、Ryzen 7040系やRyzen 8040系に統合されるRDNA 3世代のiGPUです。

代表例としてRyzen 7 7840Uでは、12グラフィックスコア、最大2.7GHz、DDR5-5600およびLPDDR5x-7500対応となっており、従来の「内蔵GPUは事務作業向け」というイメージを変えた存在です。

内蔵GPUでありながら、日常用途だけでなく、軽めのゲームや写真編集まで十分視野に入る水準に達しています。

一方のRadeon 890Mは、Ryzen AI 300シリーズに統合されるRDNA 3.5世代のiGPUで、代表的なRyzen AI 9 HX 370では16グラフィックスコア、最大2.9GHz、DDR5-5600およびLPDDR5x-8000対応です。

コア数の増加に加え、搭載されるプラットフォーム自体が新しく、ゲーム、制作、AI活用まで含めた余裕が広がっています。

項目Radeon 780MRadeon 890M
アーキテクチャRDNA3RDNA3.5
GPUコア数1216
最大クロック最大2.7GHz最大2.9GHz
代表的な搭載CPURyzen 7 7840U、Ryzen 9 7940HSなどRyzen AI 9 HX 370、Ryzen AI 9365など
メモリ対応例DDR5-5600、LPDDR5x-7500DDR5-5600、LPDDR5x-8000
AI関連搭載CPU私大でRyzen AI対応Ryzen AI 300系と組み合わせやすい

元記事では780Mを「NPUなし」としていましたが、そこは少し整理が必要です。たとえばRyzen 7 7840UはRyzen AIを備えており、AI処理の土台自体はあります。

ただし、Ryzen AI 300シリーズのほうがAI処理性能は大きく強化されているため、AI活用まで視野に入れるなら890M世代が有利と考えるのが適切です。

👉おすすめ:Ryzen 7 7840HSとRyzen 9 7940HSの比較を解説

Radeon 890M vs 780M:ベンチマークに基づく性能差

今回の比較で重要なのは、感覚ではなくベンチマークで性能差を見ることです。

公開ベンチマークでは、Radeon 890MがRadeon 780Mを安定して上回っています。

Notebookcheckでは、890Mは一部テストで780Mより15〜28%ほど高速とされており、NanoReviewでも3DMarkやGeekbench 6 Computeで890Mが上位です。

つまり、890Mは確かに上位ですが、別次元というより「内蔵GPUとして一段上」という位置付けがしっくりきます。

ゲームベンチマークでもその傾向は同じです。

NanoReviewの公開比較では、平均FPSは1080p Highで890Mが38fps、780Mが32fps、1080p Ultraで890Mが29fps、780Mが24fpsでした。

タイトル別に見ても、Forza Horizon 5、Far Cry 6、Counter-Strike 2、Shadow of the Tomb Raiderなどで890Mが優勢です。

ベンチマーク・ゲームRadeon 780MRadeon 890M
3DMark Steel Nomad Lite基準値約20%高い
Geekbench 6 Computer基準値約31%高い
平均FPS 1080p High32fps38fps
平均FPS 1080p Ultra24fps29fps
Forza Horizon 5 1080p High53fps57fps
Far Cry 6 1080p High38fps44fps
Counter-Strike 2 1080p High46fps53fps
Shadow of the Tomb Raider 1080p High33fps45fps

ただし、ここで「890Mなら何でも快適」と書くのは適切ではありません。

重いAAAタイトルでは、890Mでも設定調整やアップスケーリング前提になる場面があります。

そのため、890Mは「内蔵GPUとしてかなり強い」のであって、「専用GPUなしで何でも余裕」とまでは言えません。

この点を踏まえると、両者の差は「使い方によって価値が変わる性能差」と捉えるのが現実的です。

ゲーム性能で選ぶならどっちが適しているか

ゲーム用途で見ると、Radeon 780Mは軽量級から中量級のゲームをフルHDで現実的に遊べるiGPUです。

eスポーツ系タイトル、インディーゲーム、少し前のAAAゲームであれば、設定を調整することで十分プレイしやすい領域に入ります。価格や消費電力とのバランスまで考えるなら、780Mの価値は依然として高いままです。

一方で、少しでも高いフレームレートを求めるならRadeon 890Mの優位は明確です。とくに重めのゲームでは、数fpsの差が画質設定の余裕や操作感に直結します。フルHDで重めのゲームも視野に入れるなら、890Mのほうが判断しやすい選択肢です。

👉おすすめ:フルHDと4Kの違いを比較

まとめると、ゲーム用途に限れば、軽量タイトル中心なら780M、少しでも高いゲーム性能を求めるなら890Mという整理で大きく外しにくいでしょう。

コンテンツ制作とAI活用ではどう違うか

ゲーム以外で差が出やすいのが、動画編集やAI処理を含む制作用途です。

Radeon 780Mでも、フルHD中心の動画編集、写真整理、軽めのレタッチには十分対応できます。趣味としての編集や副業レベルの制作なら、780Mで不満が出にくい人も多いはずです。

ただし、制作作業を継続的に行う人や、AI補助機能を積極的に使いたい人では、890Mを含むRyzen AI 300系の価値が上がります。

動画編集、3D制作、AIエフェクト、画像生成補助、複数アプリの同時利用などを考えると、890M世代のほうが余裕があります。

ここで重要なのは、「できるかどうか」よりも「どこまで快適さを求めるか」です。たまに軽い編集をする程度なら780Mで十分です。制作作業を継続的に行い、AI機能も活かしたいなら890Mのほうが適しています。

ミニPCでの違いは?

この比較で追加しておきたい重要ポイントが、ミニPCで見たときの違いです。

ノートPC以上に、ミニPCは冷却、電力制御、メモリ構成、筐体サイズの影響を受けやすいため、同じiGPUでも搭載機全体の設計で印象が変わります。

たとえば、Radeon 780Mを搭載するGEEKOM A8のようなミニPCは、日常作業から軽めのゲームまでをバランスよくこなせる構成です。780M搭載ミニPCの魅力は、性能を確保しながら、発熱や静音性のバランスを取りやすい点にあります。省スペースで扱いやすい主力PCがほしい人には相性のよい方向性です。

一方、Radeon 890Mを搭載するGEEKOM A9 MaxのようなミニPCは、小型でも主力機に近い性能を狙う構成です。ゲームだけでなく、制作やAI処理も視野に入れた使い方をしやすく、小さな筐体でも妥協を減らしたい人に向いています。

この違いをシンプルに言い換えるなら、780M系ミニPCは「省スペースで日常用途と軽めのゲームを快適に回したい人」に適しており、890M系ミニPCは「小型でもゲーム、制作、AIまで広く使いたい人」に適しています。

ミニPCは後からGPUだけ交換できないため、数年単位で使う前提なら、どこまで余裕を持たせたいかが判断基準になります。

日常用途では780Mで十分か

日常用途だけで考えるなら、Radeon 780Mで十分と判断しやすいです。

Webブラウジング、Office作業、オンライン会議、4K動画再生マルチディスプレイでの一般業務といった使い方では、780Mはすでに高性能な部類に入ります。

Radeon 890Mは当然こうした用途も快適ですが、日常用途だけなら差が体感しにくい場面もあります。

ブラウザを大量に開く、4Kモニターを複数つなぐ、AI機能付きアプリを多用するなど、負荷が重なるほど差は出やすくなりますが、単純な事務用途なら780Mで十分なケースが多いでしょう。

そのため、「高いほうを買えば安心」という発想ではなく、「今の用途にちょうどよいか」で選ぶのが合理的です。

結局、どっちを選ぶべきか

ここまでを踏まえて、選び方を明確にします。

PCの主な用途が資料作成、Web閲覧、動画視聴、軽めの編集、eスポーツ系ゲームであるなら、Radeon 780Mを選ぶのが適しています。性能と消費電力、価格のバランスがよく、日常用途での満足度も高いからです。とくにミニPCやノートPCで静音性や扱いやすさを重視する人にとっては、780Mの選択はかなり合理的です。

反対に、ゲーム性能を少しでも伸ばしたい、重めのゲームも視野に入れたい、動画編集や3D制作も快適に進めたい、AI活用も今後考えているという人には、Radeon 890Mが適しています。公開ベンチマークでは確実に上位であり、プラットフォーム全体の新しさも含めて、数年先まで余裕を持ちやすいからです。

学生/オフィス用途

💡 コスパ重視
レポート作成、オフィスワーク、Web閲覧、オンライン授業などが中心。

カジュアルゲーマー/eスポーツ

🎮 フルHDでの快適プレイ
軽めのタイトルやeスポーツ系ゲームを1080pで気持ちよく遊びたい人向け。

ヘビーゲーマー/3Dクリエイター

🔥 性能+AI+安定性重視
AAAタイトル、3Dレンダリング、動画編集など、重い処理をしっかり回したい人向け。

AIプロフェッショナル/クリエイティブワーク中心

🧠 NPUを活かしたAI処理
ローカルAI推論、画像生成、エフェクト処理など、AI活用や生産性重視のワークフロー向け。

迷ったときは、今の用途が軽く、予算効率を重視するなら780M。今後ゲームや制作の比重が上がりそうで、買い替え頻度を減らしたいなら890M。この基準で考えると選びやすくなります。

まとめ

AMD Radeon 780Mと890Mの比較は、単純な世代交代ではなく、用途による選び分けの話です。

ベンチマークに基づけば890Mが上であることは明確ですが、その差が意味を持つかどうかは、ゲームの重さ、制作作業の頻度、AI活用の有無、そしてミニPCやノートPCとしてどこまで余裕を求めるかで変わります。Radeon 780Mは2026年でも十分に強い高バランス型iGPUであり、Radeon 890Mはそこからさらに一段上を求める人に向いた上位iGPUです。

したがって、最終的な結論はこうなります。

  • 軽作業と軽めのゲーム中心ならRadeon 780Mが適している。
  • ゲーム、制作、AIまで見据えるならRadeon 890Mが適している。

なお、実際の性能はメモリ帯域、冷却性能、電力設定、搭載PC全体の構成で変わるため、購入判断の際には搭載モデルごとの詳細仕様も必ず確認してください。

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Maxime Masse(マキシム・マス)

テック分野を中心に活躍するWebライター。
革新的な企業やブランドと協力し、明確で訴求力のあるコンテンツを数多く手がけている。常に読者視点を意識し、専門的な内容もわかりやすく伝えることを心がけている。

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