
最近、Wi-Fi 7対応製品がどんどん出てきていますね。2023年末に日本でようやく解禁された次世代規格は、従来の約5倍という理論上での速度を実現できます。でも、新しい技術だけに「今導入すべきか」「本当に必要なのか」と迷っている方も多いはず。この記事では、注目されているWiFi 7の基本的な特徴から、実践的な活用方法、さらには対応製品の紹介まで、素直な意見を交えながら紹介していきます。
Wi-Fi 7とは?日本での展開は?
Wi-Fi 7(正式名称:IEEE 802.11be)は、Wi-Fi Allianceが定める最新の無線LAN規格です。新しい規格の導入に際して慎重な意見も見られましたが、2023年12月末に総務省が電波法施行規則を改正し、日本での利用が認可されて以来、着実な性能向上を確認できています。
例えば、2時間の4K動画のダウンロード時間。従来なら10分でダウンロードできたところを、なんとたった2分程度で終わってしまうんです。数字で見ても、理論値で最大46Gbpsという速度は、いまのWi-Fi 6/6E(9.6Gbps)の約4.8倍。
技術面を見ていくと、Wi-Fi 6Eから続いてWi-Fi 7は3つの周波数帯(2.4GHz、5GHz、6GHz)を使えます。分かりやすく例えると、今までは1, 2本しかなかった高速道路が、突然3本使えるようになったようなものです。特にWiFi 7の6GHz帯では、データが流れる「車線」が倍に広がって(専門用語では帯域幅が160MHzから320MHzに拡大)、さらに「MLO(Multi-Link Operation)」という新技術のおかげで、これらの「道路」を同時に使えるようになりました。その結果、通信の安定性も格段に良くなっています。
日本国内では、2024年から徐々にWi-Fi 7対応製品が出てきていますね。特に大量のデータをやり取りする企業での需要が高まっていて、オンライン会議やクラウドサービスを多用するビジネス環境での導入が期待されています。一般家庭向けの製品も、動画配信サービスの高画質化やVR機器の普及に合わせて、年々増加していく見込みです。
ただ、ここで一つ注意したいのが、WiFi 7の性能を存分に活かすには、Wi-Fi機器(ルーター)だけでなく、つなぐ機器(パソコンやスマートフォンなど)もWiFi 7対応である必要があるということ。ここは意外と見落としがちなポイントです。
Wi-Fi 7の革新的な機能
Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 7 | |
---|---|---|---|
規格名 | IEEE802.11ax | IEEE802.11ax | IEEE802.11be |
規格リリース年 | 2019年 | 2020年 (日本では2022年) | 2024年 |
利用周波数帯 | 2.4GHz帯; 5GHz帯 | 2.4GHz帯; 5GHz帯; 6GHz帯 | 2.4GHz帯; 5GHz帯; 6GHz帯 |
最大通信速度 | 9.6Gbps | 9.6Gbps | 46Gbps |
変調方式 | 1024QAM | 1024QAM | 4096QAM |
最大帯域幅 | 160MHz | 160MHz | 320MHz |
主要機能 | MU-MIMOOFDMA | MU-MIMOOFDMA | MLO(Multi-Link Operation)320MHz帯域幅 |
Wi-Fi 7には、通信環境を大きく変える3つの重要な機能が搭載されています。それぞれの機能が持つ意味は、実際の使用シーンを見るとよく分かります。
■MLOで通信の安定性が劇的に向上
WiFi 7の目玉機能と言えるのがMLO(Multi-Link Operation)です。今までのWi-Fiは2.4GHz、5GHz、6GHzの周波数帯のうち、1つしか同時に使えませんでした。MLOはこの制限を取り払い、複数の周波数帯を同時に使えるようにしました。
これを分かりやすく例えると、今までは混んでいても1本の道路しか使えなかったのが、空いている道路に臨機応変に切り替えられるようになったんです。つまり、電波状態が悪くなっても通信が途切れにくく、常に最適なルートでデータを送受信できることが確認できました。
■320MHz帯域幅がもたらす驚きの大容量化
Wi-Fi 7では、6GHz帯で使える帯域幅が従来の160MHzから320MHzへと倍増しました。先ほどの道路の例で言うと、車線が2倍に広がったようなもの。特に大容量データの転送時に、その効果は顕著です。
4K動画の転送時に従来の約2倍の速度となり、複数の大容量ファイルを同時に扱う場面でも、目に見えて快適になっています。
■4096-QAMによる通信効率の進化
電波にデータを乗せる変調方式も、1024-QAMから4096-QAMへと進化。同じ電波でより多くのデータを送れるようになり、通信効率が約1.2倍に向上しました。この機能は特に電波状態の良好な近距離での通信で真価を発揮します。
これら3つの機能は単体でも効果的ですが、MLOと320MHz帯域幅の組み合わせで、これまでに無かったレベルの高速かつ安定した通信をさらに実現できます。GEEKOMのWi-Fi 7対応mini PCは、これらの機能をフル活用できるよう設計されているため、次世代の通信環境を存分に体験できるはずです。
Wi-Fi 7が実現する新時代の「通信」
これらの技術革新は、実際の現場でどんな変化をもたらすのでしょうか。検証を重ねるうちに見えてきたのは、単なる速度向上を超えた可能性です。特に注目したいのは、これまでの無線通信における課題の解決。
■オフィスや住宅での活用
今までのWi-Fiって、同じフロアに機器が増えてくると途端に不安定になりがちでした。でもWi-Fi 7なら、MLO(Multi-Link Operation)で複数の周波数帯を同時に使えるから、混雑した環境でも安定。オフィスでの多人数Web会議も、マンション住まいでの近隣との電波干渉も、かなり改善されているのが分かりました。
■データ転送における実践的な違い
正直、普段のネット利用なら今のWi-Fi 5/6で十分なんです。Netflixを見たり、オンラインゲームをしたり、そういう使い方なら今までの規格でも快適。Wi-Fi 7が本領を発揮するのは、もっと特殊な現場での活用。例えば、医療現場での高精細画像の共有や、建築・製造業での3Dデータのやり取りなど、今まで有線じゃないとダメだった環境でも、無線でイケる可能性が見えてきました。
■将来に向けた拡張性
高速で安定したWiFi 7の通信は、次の時代も見据えています。遠隔医療や産業用ロボットの制御など、ミリ秒単位の遅延も許されない用途にも期待が集まっています。ただし、ここは正直に言っておきたいんですが、これらはまだまだ発展途上。一般ユーザーが今すぐ恩恵を感じられる部分は、実はそこまで多くありません。
結局のところ、Wi-Fi 7は速度アップというより、無線なのに有線並みの信頼性を実現できる技術革新なんです。使い方次第で、まったく新しい可能性が広がりそうです。
Wi-Fi 7がもたらす産業別の革新
次はWi-Fi 7の特徴が各産業にもたらす変革を見ていきましょう。導入される環境や業界によって、その効果は大きく異なってきます。
■企業変革への貢献
ハイブリッドワークが定着した今、業種を問わず安定した通信環境の重要性は増す一方です。大規模オフィスでの検証で特に印象的だったのは、フロア全体で複数のビデオ会議が同時進行しても、MLOのおかげで通信品質が落ちにくいこと。複数の大画面ディスプレイを使ったリモートデスクトップ作業でも、まるで有線接続かのような安定性を実現できています。
■施設インフラの革新
大規模商業施設や工場など、従来は有線LANが必須だった環境での活用が期待されます。施設内の監視カメラシステムや環境センサーの無線化、さらには自動搬送ロボットの遠隔制御まで、これまでは実現が難しかった用途にも可能性が広がってきます。建物の構造や設備の配置による制約も大幅に軽減されるため、施設設計の自由度も向上します。
■次世代技術への展望
Wi-Fi 7の高速・低遅延通信は、産業界での活用を見据えています。8K映像は一般利用ではまだ先の話かもしれませんが、産業用途では既に具体的な検討が始まっています。建築現場での3Dデータの無線共有や、製造現場でのロボット制御など、今まで有線が当たり前だった領域でも活用の幅が広がりそうです。
GEEKOM Wi-Fi 7対応PCラインナップ
新たなWi-Fi時代に向けて、GEEKOMのラインナップも進化しています。次世代無線通信への対応はもちろん、実際の使い方を考えた設計で、導入後の快適さにもこだわっています。
💠最新フラッグシップGEEKOM GT1 Mega
- CPU: Intel Core Ultra 9 185H(45W、最大60W)
- GPU: Intel Arc グラフィックス(レイトレーシング対応)
- 接続端子: USB4.0×2、USB3.2×5、HDMI 2.0×2
- 映像出力: 最大4台の4Kディスプレイ または 8K出力
- ネットワーク: デュアル2.5ギガビット有線LAN、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
- OS: Windows 11 Pro 23H2
- 特徴: AI処理用NPU搭載、IceBlast 2.0冷却システム
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第14世代インテル® Core™Ultraプロセッサーを搭載したGT1 Megaなら、Wi-Fi 7の実力を存分に引き出せます。320MHz帯域幅やMLOもしっかりサポートしているので、4K/8K出力も余裕です。重たい作業もストレスなく、静かに、そしてスマートにこなしてくれます。

💠実用重視のGEEKOM NUC A6
- CPU: AMD Ryzen 7 6800H(TDP最大45W)
- GPU: AMD Radeon 680M グラフィックス
- 接続端子: USB4×1、USB3.2×2、USB2.0×1、HDMI 2.0×2
- 映像出力: 最大4台の4Kディスプレイ
- ネットワーク: 2.5ギガビット有線LAN、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.4
- OS: Windows 11 Pro(64ビット)
- 特徴: IceBlast冷却システム搭載
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手頃な価格のNUC A6は、Wi-Fi 6E対応ながら実力は確か。AMD Ryzen™ 7 6800H プロセッサーの組み合わせで、普段使いには十分すぎるくらいの性能です。Wi-Fi 6Eと2.5Gbpsイーサネットのおかげで、通信も安定していて快適。コスパを考えると、かなり魅力的な選択肢です。
まとめ
Wi-Fi 7の登場で、無線通信の世界は大きく変わりそうです。従来の約5倍という速度はもちろん、複数の周波数帯を同時に使えるMLO技術のおかげで、通信の安定性も格段に向上。特に大容量データを扱う現場では、その効果は歴然です。
ただ、導入を検討する際は環境づくりがポイント。Wi-Fi 7対応ルーターはもちろん、つなぐ機器側もしっかり対応している必要があります。住環境によっては6GHz帯の相性も気になるところ。
コストと相談しながら、自分の環境に合わせた選択が大切です。新規環境の構築なら、GT1 Megaのような最新機種でWi-Fi 7の恩恵を存分に。既存環境が快適なら、NUC A6のようなWi-Fi 6E機器も十分現実的な選択肢になりそうです。
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