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【徹底比較】AMD Ryzen 7とIntel Core i5:どちらを選ぶべき?

 AMDとIntelは、CPU市場における主要な競合企業として、数十年にわたり業界での主導権を争ってきました。AMDのCPUは、コア数が多く、プラットフォームの長期的な互換性や技術革新に強みがあります。IntelのCPUは、最新のCore iシリーズやCore Ultraシリーズなど、アーキテクチャやアップグレード性、価格動向に優れ、ブランド力も高いです。両社とも高品質なプロセッサーの製品を製造していますが、特にAMD Ryzen 7とIntel Core i5は、よく比較の対象となっています。本稿では、同じような価格帯に位置するAMD Ryzen 7 5800XとIntel i5-11600KのCPUを比較してみたいと思います。

AMD Ryzen 7とIntel Core i5仕様の比較

 AMD Ryzen 7 5800Xは、8コア16スレッドを搭載したプロセッサで、基本クロック周波数は3.8GHz、最大ブースト時には4.7GHzまで上昇します。キャッシュ容量は合計36MBを誇り、PCIe 4.0に対応しています。この世代のCPUは、コア数が多いことからマルチスレッド性能が高く、動画編集や3Dレンダリングなど性能が高い作業に適しています。さらに、Ryzen 7 7700XやRyzen 7 9800X3Dは、Ryzen 7 5800Xよりも新しい世代のCPUであり、より高いゲーム性能や将来的なアップグレードの容易さ、アーキテクチャの違いを持つ上位モデルとして位置付けられています。

 これに対し、Intel i5-11600Kは6コア12スレッドを備え、基本クロック周波数は3.9GHz、最大ブースト時には4.9GHzまで達します。キャッシュ容量は合計12MBで、同じくPCIe 4.0に対応しています。この世代のCPUは、シングルスレッド性能が高いことが特徴で、軽いゲームや日常的な作業において性能が高い選択肢となります。

 Ryzen 7 5800XのCPUは、より多くのコアとスレッド数があるため、マルチタスクや並列処理を必要とする作業において優位性を発揮します。一方、i5-11600KのCPUを選ぶ場合は、クロック周波数の高さやシングルスレッド性能が重要な作業に適しており、世代の違いやコア数の違いを考慮して選択することが重要です。

シングルコア性能のベンチマーク

 日常的なウェブブラウジングや文書作成といった作業では、シングルコア性能が重要な意味を持ちます。。1つのコアが処理できる性能が、日常的な作業の快適さに直結します。シングルコアの処理スピードは、CPUのクロック数やGHz(ギガヘルツ)によって大きく左右され、これらの数値が高いほどスピードが向上する傾向があります。Cinebench R23やGeekbench 5などのベンチマークテストでは、Intel i5-11600KがRyzen 7 5800Xを上回る結果を示しています。

 具体例として、Cinebench R23におけるシングルコアスコアでは、i5-11600Kが1448ポイントを記録したのに対し、Ryzen 7 5800Xは1424ポイントという結果でした。 

マルチコア性能のベンチマーク

 動画編集やレンダリング、データ解析といった生産性の高い作業においては、マルチコア性能が重要な要素となります。Cinebench R23やGeekbench 5のベンチマークでは、Ryzen 7 5800Xがi5-11600Kを上回る性能を示しています。

 例えば、Cinebench R23のマルチコアスコアでは、Ryzen 7 5800Xが15163ポイントを達成したのに対し、i5-11600Kは11763ポイントという結果でした。このようなマルチコアCPUは、大量のデータを効率的に処理できる点も大きな強みです。

Ryzen 7とCore i5:ゲーム性能

 没入感のある快適なゲーム体験を求めるゲーマーにとって、ゲーム性能は重要な指標です。3DMark Fire StrikeやShadow of the Tomb Raiderなどのベンチマークテストでは、i5-11600KがRyzen 7 5800Xをわずかに上回っています。

 また、ユーザーのレビューや専門サイトの評価でも、両CPUの実際のゲーム体験やパフォーマンスに関する詳細な情報が多数掲載されています。

 ただし、Tom’s Hardwareの報告によれば、「i5-11600KとRyzen 7 5800Xのゲーム性能の差異は、ほとんどの場合でわずかであり、どちらのプロセッサも優れたゲーム体験を提供できる」とされています。

まとめとして、ゲーマー的には、どちらのCPUを選んでも大きな失敗はないと言えます。

Ryzen 7とCore i5:オーバークロックのポテンシャル

 オーバークロックとは、プロセッサの動作周波数、すなわちクロック数やGHz(ギガヘルツ)を引き上げることで、CPUの1秒あたりの処理サイクル数を増やし、性能を向上させることを指します。AMD Ryzen 7シリーズは、その優れたオーバークロック性能で広く知られており、例えば、Ryzen 7 5800Xは基本クロック3.8GHz、最大ブースト4.7GHzの仕様ですが、多くのユーザーが4.8GHz以上へのオーバークロックに成功しているとの報告が上がっています。

 一方、Intel Core i5シリーズは一般的にAMDと比べてオーバークロック性能で劣るとされていますが、i5-11600Kはその例外です。 基本クロック3.9GHz、最大ブースト4.9GHzの仕様ながら、多くのユーザーが5.1GHz以上へのオーバークロックを達成しています。

 オーバークロックに関しては、総じてRyzen 7 5800Xが優位にありますが、i5-11600Kも十分な成果を上げることができます。

Ryzen 7とCore i5:消費電力

 プロセッサを選ぶ際、エネルギー効率を重視したり、電気代の削減を考えるユーザーにとって、消費電力は重要なポイントになってきます。パソコンを長時間使用する場合は、消費電力の低いCPUを選ぶことで、パソコンを使う際の電気代の節約にもつながります。

 Ryzen 7 5800Xの定格TDP(熱設計電力)は105Wですが、実際の使用時には高負荷状態で約135Wの電力を消費します。 他のプロセッサと比較するとやや消費電力が高めですが、これは高性能プロセッサとしての特性であり、負荷の高い作業に対して優れたパフォーマンスを発揮します。

 一方、Intel i5-11600Kの定格TDPは125Wですが、高負荷時には約140Wが実際の消費電力です。 Ryzen 7 5800Xと比較してやや高めではありますが、多くのユーザーにとっては許容範囲内に入ります。

 ただし、消費電力は使用状況や作業内容によって大きく変動するため、その点に注意を払う必要があります。 主にウェブブラウジングやオフィス作業といった軽い作業を行うユーザーの場合、これらのプロセッサ間の消費電力の違いはそれほど顕著ではありませんが、頻繁にCPUに高い負荷をかける作業を行うユーザーの場合、消費電力の差がより明確に表れる可能性があります。

Ryzen 7とCore i5:互換性

 プロセッサの互換性は、システムで使用できるコンポーネントに直接影響を与えるため、重要な検討事項となります。

マザーボードの互換性

💠AMD Ryzen 7 5800X:

  • AM4ソケットを搭載したマザーボード(X570やB550チップセットなど)が必要です
  • これらのマザーボードは、高速なDDR4 RAMやPCIe 4.0に対応しており、大幅な性能向上を実現できます
  • 古いマザーボードを使用する場合、Ryzen 7 5800Xとの互換性を確保するためにBIOSのアップデートが必要となる場合があります

💠Intel i5-11600K:

  • LGA 1200ソケットを搭載したマザーボード(Z590やB560チップセットなど)が必要です
  • これらのマザーボードも同様に、高速なDDR4 RAMやPCIe 4.0に対応しており、性能向上を実現できます
  • 古いマザーボードを使用する場合、i5-11600Kとの互換性を確保するためにBIOSのアップデートが必要となる場合があります

グラフィックカードの互換性

 Ryzen 7 5800Xとi5-11600Kはどちらも最新のグラフィックカードとの互換性に優れています。 どちらもPCIeインターフェイスの最新・最速バージョンであるPCIe 4.0をサポートしています。 つまり、NVIDIA RTX 30シリーズやAMD Radeon RX 6000シリーズなどの最新グラフィックカードをフルに活用できます。

コストパフォーマンス比較

 CPUを選ぶ際には、コストパフォーマンスが非常に重要なポイントとなります。一般的に、AMD RyzenシリーズはIntel Coreシリーズに比べて価格が抑えられている傾向があります。たとえば、8コア16スレッドのAMD Ryzen 7 5800Xは約3万円で購入できます。一方、同じく8コア16スレッドのIntel Core i7-10700Kも価格帯はほぼ同じですが、消費電力はやや高めです。もちろん、必要とする性能や予算によって最適なCPUは異なりますが、コストを抑えつつ高い性能を重視するのであれば、AMD Ryzen 7シリーズは非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

Ryzen 7搭載ミニPC:GEEKOM A6

 もしコストパフォーマンスに優れたRyzen 7搭載PCをお探しなら、GEEKOM A6がおすすめです。GEEKOM A6はRyzen 7プロセッサーとAMD Radeon™ 680Mを搭載しており、ビジネス作業はもちろん、家庭での日常利用からゲームやエンタメまで幅広いシーンに対応できます。さらに、GEEKOM A6はヨーロッパで「最優秀コスパ・デスクトップ」賞を受賞した実績があり、その実力は高く評価されています。価格は約5万円と手頃で、コストを抑えながら高性能を求める方にぴったりの一台です。

Ryzen 7搭載GEEKOM a6 ミニPC
  • 2025年European Hardware Award受賞
  • AMD Ryzen™ 7 6800H & Radeon™ 680Mグラフィックス 
  • デュアルチャネル DDR5-4800 – 最大64GBまで拡張可能​
  • M.2 2280 PCIe Gen4×4 SSD – 最大2TBの超高速ストレージ​
  • ​USB Type-C×2 | HDMI 2.0×2 – 4Kクワッドディスプレイで生産性最大化​
  • ​2.5Gbpsイーサネット | Wi-Fi 6E | Bluetooth® v5.2 – 安定した接続性​
  • 高品質アルミニウム筐体 – 超コンパクトな4×4インチ設計​
  • Windows 11 Pro プリインストール 

予算別のおすすめ選択

 CPU選びは、予算に応じて最適なモデルを選ぶことが大切です。低予算(約1~2万円)であれば、Intel Core i3やAMD Ryzen 3がコストパフォーマンスに優れています。中予算(約2~5万円)では、Intel Core i5やAMD Ryzen 5がバランスの良い選択肢です。高予算(約5~10万円)になると、Intel Core i7やAMD Ryzen 7が高い性能を発揮し、動画編集やクリエイティブな作業にも対応できます。さらに、超高予算(約10万円以上)では、Intel Core i9やAMD Ryzen 9といったフラッグシップモデルが、圧倒的なパフォーマンスを提供します。自分の用途や予算に合わせて、最適なCPUを選びましょう。

AMD Ryzen 7とIntel Core i5、どちらを選ぶべき?

 シングルスレッド性能を重視する場合は、Intel Core i5が優れた選択肢となります。一方、マルチスレッド性能が重要な場合は、AMD Ryzen 7プロセッサがより適していると言えるでしょう。

おすすめ記事:AMD Ryzen 5とIntel core i5:ミッドレンジプロセッサの徹底比較

 選択の際には、公式サイトで最新のスペックやサポート情報を確認したり、ユーザーレビューを参考にすることも重要です。

 これらの2つのプロセッサのどちらが最適かは、最終的にはユーザーの個人の具体的なニーズや使用目的によって決まります。 ただし、もしこれらのCPUが求める性能基準を満たさない場合やニーズに合わない場合は、Intel Core Ultra 7やcore i7といった、より上位のCPUを検討するのも一つの選択肢でしょう。

 また、選択時にはWindowsや各種プラットフォームのサポート終了時期や、製品ライフサイクルの終了にも注意しましょう。

 GEEKOMでは、AMD Ryzen 7やIntel Core i5を搭載したさまざまなミニPCを取り揃えておりますので、用途に応じて最適なモデルをお選びいただけます。

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GEEKOM JAPAN

ミニPC世界シェアのTop 3にランクインしているGEEKOMの公式ブログアカウントです。ミニPCの研究開発、生産、販売に特化しており、台湾に研究開発本部を構え、世界各国に支社を展開しています。公式ブログでは、Geekom新製品の情報や活用方法、お役立ちのテクニックなどを配信しています。

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