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【2025年最新】DRAMとは?価格高騰の理由から選び方まで徹底解説

PCが最近遅くなってきた、メモリ不足のエラーが出る、そろそろアップグレードを考えている…そんな方、結構いるんじゃないでしょうか?で、いざメモリを調べてみると「DRAM」「DDR4」「DDR5」といった用語が飛び交っていて、さらに困ったことに、2025年11月現在の日本市場ではメモリ価格が急騰しているんです。例えば、DDR5-5600の16GBモジュールが1万円台に値上がりするなど、異常な状況が続いています。

本記事では、DRAMの基本的な仕組みから、2025年の日本市場における価格高騰の背景、そして用途別の選び方まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。専門用語は最小限に抑えて、実用的な情報を中心にお届けしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

DRAMとは?仕組みと役割を基礎から解説

まずは基本から。「DRAM」って言葉は聞いたことあるけど、実際何なのかよく分からないという方も多いはず。ここでしっかり理解しておきましょう。

DRAMは「Dynamic Random Access Memory(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)」の略で、パソコンやスマートフォンに搭載されている主記憶装置のことです。「メモリ」と呼ばれているものの正体が、このDRAMなんですね。

メモリの種類一覧

まず、コンピュータで使われるメモリには大きく分けて以下のような種類があります:

この表を見ると分かりますが、DRAMは「揮発性」という特徴があります。つまり、電源を切るとデータが消えてしまうんです。「え、それって不便じゃない?」と思うかもしれませんが、実はこの特性があるからこそ、DRAMは大容量でありながら比較的安価に作れるんですね。

DRAMの構造と動作原理

DRAMの「D」は「Dynamic(動的)」を意味します。では何が「動的」なのか?それは、データの保持方法にあります。

DRAMは内部に小さなコンデンサ(キャパシタ)とトランジスタを組み合わせた回路で構成されています。データは電荷としてコンデンサに蓄えられるんですが、このコンデンサ、実は時間とともに電荷が自然に漏れてしまうんです。

だから「リフレッシュ」という作業が必要になります。これは数ミリ秒ごとに電荷を補充する動作で、DRAMが動作している間は常に行われています。この「定期的に充電し直す必要がある」という特性が「Dynamic」と呼ばれる理由なんですね。

ちなみに、後ほど詳しく比較しますが、SRAMは「Static(静的)」で、電源が入っている限りリフレッシュ不要でデータを保持できます。ただし、回路が複雑で高コストなので、CPUの内部キャッシュのような限られた用途にしか使われません。

パソコンにおけるDRAMの重要性

では、DRAMはPCの中でどんな役割を果たしているのでしょうか?

簡単に言うと、DRAMはCPUの作業机のような存在です。CPUがプログラムを実行する際、必要なデータやプログラムコードを一時的にDRAMに置いて、そこから高速に読み書きします。

ストレージ(SSDやHDD)は「本棚」に例えられます。たくさんのデータを長期保存できますが、アクセス速度はDRAMに比べてはるかに遅いんです。CPUがストレージから直接データを読もうとすると、処理が極端に遅くなってしまいます。

おすすめ記事:SSDとHDD:お使いのパソコンに適したストレージはどちらか?

だから、使用中のプログラムやデータはDRAMに一時的にコピーされて、そこで高速にやり取りが行われるわけです。DRAMの容量が不足すると、CPUは頻繁にストレージとやり取りしなければならず(これを「スワップ」と言います)、PCの動作が著しく遅くなります。

実際、最近のPCでは:

  • ブラウザ: タブをたくさん開くと数GBのメモリを消費
  • 動画編集ソフト: 4K動画の編集では10GB以上使うことも
  • ゲーム: 現代のAAAタイトルは16GB以上推奨が当たり前

つまり、DRAMが不足していると、どんなに高性能なCPUやGPUを搭載していても、本来の性能を発揮できないんですね。

おすすめ記事:16GBのRAMはゲーミングに十分?2025年最新版ガイド

DDR世代について(DDR4とDDR5の基本)

最後に、「DDR4」「DDR5」という言葉についても触れておきましょう。

DDRは「Double Data Rate」の略で、DRAMの規格名です。数字が大きいほど新しい世代で、基本的には高速になります:

DRAM規格 特徴
DDR4 2014年登場、現在も広く使われている。転送速度は2133~3200MHz程度が主流。価格が比較的安定している。
DDR5 2021年登場、最新世代。転送速度は4800~6400MHz以上。高速だが価格は高め。最新のCPU・マザーボードが必要。

ただし、「DDR5の方が速いから絶対良い」というわけでもないんです。実用的な速度差を体感できるのは、動画編集や3Dレンダリング、高FPSゲームなど特定の用途に限られます。普段使いやOffice作業なら、DDR4でも十分快適です。それに、DDR4とDDR5は互換性がありません。マザーボードがDDR4対応ならDDR4メモリしか使えませんし、DDR5対応ならDDR5メモリが必要です。アップグレードの際は、自分のPCがどちらに対応しているかを必ず確認してくださいね。

dramのddr5規格

DRAMと他のメモリの違い

「DRAMがメインメモリってことは分かったけど、他のメモリとは何が違うの?」という疑問、当然ですよね。ここでは、よく混同されがちな他のメモリ技術との違いを整理していきましょう。

SRAM vs DRAM:速度と容量のトレードオフ

SRAMとDRAMは名前が似ていますが、実は全く異なる技術です。

構造の違い:

  • DRAM: 1つのトランジスタ+1つのコンデンサでデータを保存。シンプルな構造で高密度に集積できる。ただし、コンデンサの電荷が漏れるため定期的なリフレッシュが必要。
  • SRAM: 6つのトランジスタでフリップフロップ回路を構成してデータを保持。リフレッシュ不要で高速だが、回路が複雑でチップ面積を多く消費する。

実用的な違い:


つまり、SRAMは速いけど高コスト、DRAMは少し遅いけど大容量化しやすい。だから、CPUの内部にはSRAMが使われ(L1/L2/L3キャッシュ)、メインメモリにはDRAMが使われるという棲み分けになっているんですね。

実際、CPUが最もよく使うデータは高速なSRAMキャッシュに置かれ、それ以外の大量のデータはDRAMに置かれます。この階層構造があるからこそ、現代のPCは高速に動作できるわけです。

SSDのDRAMキャッシュと「DRAMレスSSD」

ここでちょっとややこしい話になりますが、実はSSDの内部にもDRAMが搭載されていることがあります。これを「DRAMキャッシュ」と呼びます。

DRAMキャッシュ搭載SSD:SSD内部に小容量のDRAMチップを搭載し、書き込みデータを一時的にバッファリングしたり、ファイル管理情報を高速に処理したりします。これにより、ランダムアクセス性能が向上し、特に小さなファイルの読み書きが速くなります。

DRAMレスSSD:コスト削減のため、DRAMキャッシュを省略したSSD。代わりにSSD内部のフラッシュメモリの一部をキャッシュとして使う(SLC caching技術)か、PC本体のメインメモリ(システムRAM)の一部を借りて使う(HMB:Host Memory Buffer技術)ことで性能を補います。

32GBのDDR5(64GBまで拡張可能)と 2TBのNVMe PCIe 4.0高速SSD

実用的な違いは?

正直に言うと、2025年現在、普段使いではほとんど体感差はありません。写真や動画などのファイル保存、ゲームやアプリのインストール、データバックアップ用途はもちろん、OSの起動ドライブとして使う場合でも、最近のNVMe DRAMレスSSD(HMB対応)なら十分な性能と安定性があります。

気をつけたいのは古いSATA接続のDRAMレスSSDで、耐久性に問題がある場合がありました。ただ、2025年ではNVMe SSDが主流なので、最近の製品を選ぶ分には特に心配する必要はないですね。

DRAMキャッシュ搭載が明確に有利なのは、データベースサーバーや仮想マシンのホストなど、小さなファイルをランダムに大量アクセスする専門的な用途くらいです。予算に余裕があれば選んでおくと安心ですが、一般的な用途なら「DRAMレス」でも全く問題ありません。

フラッシュメモリとの関係

最後に、フラッシュメモリについても触れておきましょう。実は、SSDの内部記憶媒体がフラッシュメモリなんです。

フラッシュメモリの特徴:

  • 不揮発性(電源OFF後もデータ保持)
  • 書き換え回数に制限あり(SSDの寿命の原因)
  • DRAMより遅いが、通常はHDDより圧倒的に速い

USBメモリやSDカードも同じフラッシュメモリ技術を使っています。つまり、SSD、USBメモリ、SDカードは全て「フラッシュメモリを使った不揮発性ストレージ」という共通点があるんですね。

一方、DRAMは揮発性で、フラッシュメモリとは全く異なる技術。両者は「メモリ」という言葉が共通していますが、実際の用途も特性も全然違うものです。

DRAMスペックの読み方と互換性チェック

「DDR4-3200って何?数字が大きい方が速いの?」「自分のPCに合うメモリってどうやって調べるの?」初めてメモリを選ぶ時、誰もが感じる疑問ですよね。ここでは、スペック表の見方と、失敗しない選び方を解説していきます。

DRAMスペックの基本的な読み方

DRAMスペック読み方まとめ

  • 世代:DDR4 / DDR5。マザーボードとの互換性を必ず確認。
  • 転送速度:数字が大きいほど高速。重い作業で差が出る。
  • 容量:16GB(最低限)、32GB(快適)、64GB以上(クリエイティブ作業向け)。
  • CL値:数字が小さいほど高性能。

メモリの製品名を見ると、「DDR4-3200 16GB CL16」みたいな表記がありますが、これは4つのスペックで構成されています。それぞれ見ていきましょう。

1. DDR4 / DDR5(世代)

まずこれで世代が分かります。DDR4とDDR5は物理的に互換性がないので、マザーボードが対応している世代を選ぶ必要があります。間違えると物理的に挿さりませんから、購入前に必ず確認してください。

2.数字部分(転送速度)

「3200」や「5600」といった数字は、データ転送速度を表しています。単位はMT/s(メガトランスファー毎秒)で、数字が大きいほど高速です。

  • DDR4: 2133~3200が一般的、ハイエンドで3600~4000
  • DDR5: 4800~6000が主流、最新では6400以上も

ただし、実用的な体感差は用途次第です。Webブラウジングやオフィスワークなら、DDR4-2666でもDDR4-3600でも正直ほとんど変わりません。差が出るのは、動画編集やゲーム(特に高FPS狙い)、3Dレンダリングなどの重い作業です。

3.容量

これは分かりやすいですね。現代のPCなら:

  • 最低限:16GB(これが現実的なスタート地点)
  • 快適な一般用途:32GB(ゲーム・マルチタスク対応)
  • クリエイティブ作業:64GB以上

が目安です。

4.CL(CAS Latency / レイテンシ)

「CL16」「CL18」といった表記がこれ。データアクセスの遅延時間を表す数値で、数字が小さいほど高性能です。ただし、これも体感差は微妙なケースが多いです。同じ価格帯ならCL値が低い方を選ぶ程度で十分ですよ。

マザーボード互換性の確認方法

メモリを買う前に、必ず確認すべきポイントがあります。

1. DDR世代の確認:まずは自分のマザーボードがDDR4対応かDDR5対応かを確認。これは製品の仕様書やメーカーサイトで調べられます。PCを自作した方なら覚えているでしょうし、メーカー製PCならサポートページに記載があります。

2. 対応速度の確認:マザーボードには「対応する最大メモリ速度」があります。例えば「DDR4-3200まで対応」と書かれていれば、それ以上の速度(DDR4-3600など)のメモリを挿しても、3200で動作します。オーバースペックになるだけで壊れはしませんが、価格差があるなら無駄ですよね。

3. 最大容量:一応、マザーボードには最大容量の制限があります(「最大64GB対応」など)。とはいえ、2025年現在のマザーボードなら十分な容量に対応しているので、一般的な用途では気にする必要はありません。念のため確認する程度でOKです。

デュアルチャネル構成の重要性

メモリの性能を最大限引き出すには「デュアルチャネル」が重要なんです。2枚のメモリを組み合わせて使うことでデータ転送の帯域が2倍になります。例えば16GBが欲しい場合:

  • 16GB×1枚:シングルチャネル
  • 8GB×2枚:デュアルチャネル(こっちが速い)

実用的には、同じ容量なら2枚組の方が性能が良いと覚えておけばOKです。特にCPU内蔵GPUを使う場合や、ゲーム用途では、デュアルチャネルの効果が大きく出ます。

💡設置方法の注意点

マザーボードには通常2本または4本のメモリスロットがあります。2枚挿しでデュアルチャネルにする場合、隣同士ではなく、1つ飛ばしで挿すのが基本です(マザーボードのマニュアルに「A2・B2スロットに挿せ」みたいな記載があるはず)。間違えると、せっかくの2枚挿しでもシングルチャネルで動作してしまうので注意してくださいね。

2025年DRAM市場動向と賢い購入タイミング

「なんでこんなに高いの?」メモリの価格を見て驚いた方も多いはず。2025年11月現在、日本のメモリ市場は異常な高騰が続いています。理由と対処法を率直にお話しします。

なぜ価格が高騰しているのか

シンプルに言うと:メーカーがAI向けチップの生産を優先しているからです。Samsung、SK hynix、Micronといった大手メーカーは、PC用の一般的なDRAMではなく、AI用GPU向けの高利益メモリ生産に工場を振り向けています。一方でAIデータセンター向けの需要は爆発的に増えており、PC用DRAMは品薄状態が続いています。

実際、DDR5メモリが10月から11月で1万円以上も値上がりしました。2025年5月が底値で、それ以降は右肩上がりです。

💡今買うべき?それとも待つべき?

正直に言うと:可能なら2026年まで待つことをおすすめします。価格は当面上昇が続く見込みで、今は明らかに「買い時」ではありません。

ただし、PCが壊れた、仕事で必要といった事情なら、無理に待つ必要はありません。その場合は必要最低限の容量に留めて、過剰なスペックは避けること。64GB欲しいところでも32GBでスタートし、価格が落ち着いてから増設する方が賢明です。DDR4対応マザーボードなら、DDR4-3200も十分実用的な選択肢ですね。

緊急性がないなら待つ、今必要なら冷静に必要十分なスペックを選ぶ。これが今の市場で最も賢い判断です。

用途別DRAMの選び方と具体的なおすすめ構成

「自分にはどのくらいのメモリが必要なの?」用途によって必要な容量や速度は大きく変わります。ここでは、実際の使い方に合わせた選び方を解説していきます。

ゲーム用途

推奨構成 16GB〜32GB
DDR4-3200 or DDR5-5600

現代のゲームなら、16GBが最低ライン32GBあれば快適です。AAAタイトルを高設定で楽しみたい、配信しながらプレイしたいという方は32GBを選んでおくと安心ですね。

速度については、DDR4対応マザーボードならDDR4-3200 CL16DDR4-3600 CL18あたりを選んでおけば間違いありません。DDR5対応ならDDR5-5600 CL36程度で十分快適です。

ブランド選び:Corsair、Crucial、Kingston、G.Skillあたりが定番で、日本でも入手しやすいです。

GEEKOM おすすめモデル
GEEKOM A8(Ryzen 7 8745HS搭載)は、DDR5-5600対応で32GB標準構成、必要に応じて64GBまで増設可能です。コンパクトながら本格的なゲーム環境を作れます。

クリエイティブ作業

推奨構成 32GB〜64GB以上
DDR5-5600推奨

4K動画編集や3Dレンダリング、大量の写真データを扱うなら、32GBはスタートです。本格的に取り組むなら64GB以上を検討してください。

速度も重要で、DDR5-5600クラスなら作業中のプレビューやエフェクト処理が快適になります。特にAfter EffectsやDaVinci Resolveを使う方には効果が大きいですね。

GEEKOM おすすめモデル
GEEKOM IT15(Intel Core Ultra 9 285H搭載)は、最初から32GB DDR5を搭載し、64GBまで簡単に増設できる設計です。デスクスペースが限られている方には最適な選択肢ですね。

ビジネス・一般用途

推奨構成 16GB〜32GB
DDR4-3200 or DDR5-4800

Office作業、Web会議、ブラウジングが中心なら、16GBで十分です。ただ、2025年現在は32GBが主流価格帯になりつつあるので、予算に余裕があれば32GBにしておくと長く使えます。

速度はそれほど重要ではないので、DDR4-3200DDR5-4800といった主流スペックで問題ありません。高速メモリに予算をかけるより、SSDの容量を増やす方が実用的です。

GEEKOM おすすめモデル
GEEKOM A6(Ryzen 7 6800H搭載)は、DDR5-4800対応で価格と性能のバランスが良く、省スペースなオフィス環境に適しています。

実際の選び方まとめ

正直なところ、2025年の価格高騰を考えると「今すぐ64GB」より「まず32GBで様子見」の方が賢明です。価格が落ち着いてから増設する方が、結果的に安く済む可能性が高いですからね。

用途に応じて必要十分なスペックを選び、無理にハイエンドを狙わない。これが今の市場で最もコスパの良い選択です。

まとめ

2025年現在、DRAM市場は価格高騰という厳しい状況ですが、基本さえ押さえれば賢い選択はできます。

確認すべきポイントはシンプルです。マザーボードのDDR世代、自分に必要な容量、そしてデュアルチャネル構成。この3つを押さえれば、複雑に見えるメモリ選びも迷わずに済みます。

購入タイミングは正直難しい時期ですが、焦る必要はありません。待てるなら待つ、今必要なら必要最低限から始める。どちらを選んでも、自分の状況に合った判断なら正解です。

市場が不安定でも、冷静に自分に必要なスペックを見極められれば大丈夫。この記事で得た知識が、納得のいくメモリ選びの助けになれば嬉しいです。

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Christian-Crisosostom

Christian Crisostomoさんは、PC自作やハードウェアに精通する技術評論家で、デバイスレビュー、アプリケーション評価、最新テクノロジー動向における8年以上の経験の持ち主です。複数の海外テックメディアで記事を執筆し、常に進化するデジタル分野を探求しています。難解なテクノロジーをわかりやすく伝えることが強みであり、読者がテクノロジーの仕組みだけでなく、その重要性も理解できるよう取り組んでいます。

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