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HDMI 1.4と2.0を比較:違いと自分に合った選び方

レビやモニターのスペック表、あるいはケーブルの商品ページで「HDMI 1.4」「HDMI 2.0」という表記を見かけたことはありませんか。数字の違いはわかるけれど、自分の使い方に関係があるのかどうか、判断しにくいですよね。

HDMIはテレビ、モニター、ゲーム機、ホームシアター機器など、映像と音声をまとめて伝えるための標準インターフェースです。HDMI 1.4は2009年に登場した規格で、4K解像度やARC(音声リターン)への対応を実現し、今も多くの機器に搭載されている現役の標準です。2013年リリースのHDMI 2.0はこれをさらに進化させたバージョンで、両者の違いを理解しておくことは、今使っている機器を活かすためにも、次の買い替えを考える上でも、実際に役立ちます。

HDMI 1.4と2.0、何が違うのか

まず全体像を一覧で整理しておきます。

機能HDMI 1.4HDMI 2.0
4K解像度4K@30Hz対応4K@60Hz対応
最大帯域幅10.2Gbps18Gbps
HDR非対応対応
デュアル映像ストリーム非対応対応
ARC(音声リターン)対応対応
Ethernetチャンネル対応対応
3D映像対応対応
最大音声チャンネル数8ch8ch

数字だけ見ると差が大きく感じられるかもしれませんが、実際に影響が出る場面とそうでない場面があります。それぞれの違いが何を意味するのか、順に見ていきます。

最も多くの人に関係するのが、4K解像度のフレームレートの差です。HDMI 1.4は4Kを30Hzで伝送できます。30Hzというのは1秒間に30枚の映像を表示するということで、静止画や動きの少ない映像ではほとんど気になりません。ただ、スポーツ中継や動きの速いコンテンツでは、動きがわずかにぎこちなく見えることがあります。HDMI 2.0が対応する60Hzはその倍の滑らかさで、動きの速いコンテンツでは体感としてはっきりわかる差が出ます。

この4K60Hzを実現できる背景にあるのが帯域幅の違いです。HDMI 1.4の最大10.2Gbpsに対し、HDMI 2.0は18Gbpsまで対応しています。帯域幅は映像データを運ぶ道幅のようなもので、広いほど高解像度・高フレームレート・高画質のデータを余裕を持って伝送できます。HDRやデュアル映像ストリームといったHDMI 2.0の機能も、この帯域幅の余裕があって初めて成立します。

HDR(ハイダイナミックレンジ)はHDMI 2.0から対応した機能で、映像の明暗の幅を広げる技術です。暗いシーンの細部が潰れず、明るい部分も白飛びしにくくなり、全体的に映像の奥行きが増したように感じられます。対応するテレビやモニターを持っていても、接続がHDMI 1.4であればHDRの恩恵は受けられません。

ARC(オーディオリターンチャンネル)はHDMI 1.4から搭載されている機能で、テレビからサウンドバーやAVレシーバーへ音声を返すことができます。映像用のHDMIケーブル1本で音声の双方向のやり取りが完結するため、別途音声ケーブルを引く必要がなくなります。この点ではHDMI 1.4と2.0に違いはありません。

デュアル映像ストリームはHDMI 2.0で追加された機能で、1本のケーブルで2つの映像を同じ画面に同時伝送できます。一般的な視聴用途では使う場面は限られますが、特定の業務環境やマルチタスク用途では活用できます。

音声については、HDMI 1.4と2.0はともに最大8チャンネルの非圧縮音声に対応しています。接続方式による音質の差はありません。

あなたの環境ではどちらが必要か

HDMI 1.4と2.0の仕様の違いはわかった。でも自分の使い方に照らすと、どちらが必要なのか。実際の場面ごとに整理していきます。

HDMI 1.4では映像クオリティに差が出る場面

4Kのスポーツ中継や高フレームレートの映像を見ていて、なんとなく動きがぎこちない気がしたことはないでしょうか。NetflixやAmazon Prime Videoの映画やドラマはHDMI 1.4でも十分きれいに映りますが、60fps前後で撮影されたスポーツ中継やゲームになると、30Hz止まりの接続では滑らかさに差が出てきます。HDMI 2.0に切り替えると、そういった場面での映像が明らかに変わります。

HDR対応のテレビやモニターを使っているのに、映像がそれほど変わった気がしないという方は、接続を確認してみる価値があります。機器がHDR対応であっても、ケーブルや送り出し側の機器がHDMI 1.4であれば、HDRの信号は伝わらずスタンダードな映像として表示されます。設定画面でHDRをオンにしていても、接続がHDMI 2.0でなければ有効になりません。

接続環境に関わる場面

サウンドバーやAVレシーバーをテレビにつないでいて、音声ケーブルをできるだけ減らしたい方にとっては、HDMI 1.4のARC機能で十分です。テレビとサウンドバーをHDMIケーブル1本でつなぐだけで音声の送受信が完結するので、光デジタルケーブルを別途引く必要がなくなります。ただ、Dolby AtmosやDTS:Xをロスレスで楽しみたい場合は、eARC対応のHDMI 2.1環境が別途必要になってきます。

HDMIケーブル経由でインターネット接続を共有したいというケースは、現実的にはかなり限られます。対応機器が少なく、Wi-Fiやイーサネットケーブルで直接接続する方が安定しているため、この機能を目的にバージョンを選ぶ必要はほとんどありません。

1本のHDMIケーブルで2つの映像を同じ画面に同時表示するデュアル映像ストリームは、特定の業務用モニターや展示用途での活用が主な場面です。一般的な家庭環境で意識することはまずありませんが、複数の映像ソースを1画面で管理したい特殊な用途には有効です。

バージョンの選び方と互換性の基本

今の環境で特に困っていないなら、焦って切り替える必要はありません。4Kの映画やドラマが問題なく映っていて、サウンドバーとの接続も安定しているなら、HDMI 1.4は今も十分に仕事をしています。

4Kディスプレイを新しく購入する、あるいはHDR対応の環境を整えるなら、最初からHDMI 2.0対応の機器とケーブルで揃えておくのが無難です。後から気づいて買い直す手間を考えると、最初の確認に少し時間をかける価値があります。

ケーブルについては、HDMI 2.0対応のものはHDMI 1.4の機器でもそのまま使えます。逆はそうではなく、HDMI 1.4のケーブルをHDMI 2.0の機器に挿しても、2.0の性能は引き出せません。迷ったらHDMI 2.0対応のケーブルを選んでおけば、将来の買い替えにも対応できて安心です。

ケーブルだけ新しくしても、機器側のポートがHDMI 1.4止まりであれば2.0の性能は発揮されません。新しい機器を購入したときは、ポートとケーブルの規格をセットで確認しておくと、あとから「なぜか性能が出ない」という状況を避けられます。

HDMI 2.1はどう考えるべきか

新しい規格が出るたびに、なんとなく自分の環境が置いていかれている気がしてくる。そういう感覚はよくわかります。ただ正直言うと、今の使い方がHDMI 2.0で満たされているなら、HDMI 2.1は今すぐ追いかけなくていいです

👉HDMI 2.0とHDMI 2.1の違いは?

4K60Hzで映像を楽しんでいる、HDR対応のディスプレイで映画を見ている、サウンドバーとつないでいる。こういった用途ではHDMI 2.0で十分で、2.1に切り替えたからといって体感が変わる場面はほとんどありません。8Kコンテンツや可変リフレッシュレートは2.1が得意とする領域ですが、対応機器やコンテンツ自体がまだ限られているのが現状です。

ただ、ゲームを4K120Hzで楽しみたいなら話は別です。その帯域幅はHDMI 2.0では足りないので、2.1対応の接続環境が必要になってきます。高リフレッシュレートのゲーミング環境を本格的に整えたい方は、ディスプレイだけでなく接続まわりも合わせて確認しておくといいでしょう。

新しくテレビやモニターを選ぶ機会があれば、2.1対応ポートが搭載されているモデルを視野に入れておくのは悪くない選択です。今すぐ使い切らなくても、将来への余裕として持っておけますから。ただ、2.1のために予算を大きく崩す必要はなくて、今の用途に合った環境をちゃんと整える方がずっと実用的です。

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GEEKOMブログ編集部

ミニPC世界シェアのTop 3にランクインしているGEEKOMの公式ブログアカウントです。ミニPCの研究開発、生産、販売に特化しており、台湾に研究開発本部を構え、世界各国に支社を展開しています。公式ブログでは、Geekom新製品の情報や活用方法、お役立ちのテクニックなどを配信しています。

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